仕事を楽しむための4つのポイント「フィッシュ! 」

フィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

フィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

モチベーションをコントロールするためのヒント、活気のある組織をつくるためのヒントがつまった一冊。その主題は

いまやっているのが必ずしも好きなことでなくても、それを好きになることにより、だれもが潜在的にもっているエネルギーと創造性と情熱を引き出すことができる

というもの。

物語のなかでは、主人公のメアリー・ジェーンが、社内で「ごみだめ」呼ばれている部署の部長に就任し、活気のあるバイク・プレイス魚市場に出会い、それをモデルに活気のある部署に生まれ変わらせていく。

本書で提示されるポイントは4つ:

''態度を選ぶ''
仕事そのものは選べなくても、どんな風に仕事をするかは自分で選べる。自分の態度は自分で選ぶものであると認めることにより、被害者的に振舞うのではなく、自分に責任をもち、活動的になることができる。
''遊ぶ''
仕事をしながら楽しむことで、それ自体がエネルギーとなる。楽しいときは創造性も高まる。仕事自体が報酬となり、報酬を得るための方策でなくなる。
''人を喜ばせる''
周りのひとを喜ばせることで、自分自身の問題でなく、どうすれば人の役に立てるか、という点に意識を集中することができる。また、他人に奉仕する人間としての満足感を得ることもできる。
''注意を向ける''
お客に注意を向け、仲間に注意を向ける。相手は何を必要としているのか、自分を必要としている人がいないかということに気を配る。

このなかで、僕が共感できたのは「態度を選ぶ」という姿勢だ。仕事をすすめていく上では楽しいことばかりではないし、時には不本意な仕事を担当せざるをえないこともある。不本意だからと、つまらなそうに仕事をすることもできるし、楽し「そう」に仕事をすることもできる。まずは楽し「そう」に仕事をすることが、仕事に対してコミットすることにつながり、自らコミットして責任を選択していくことが前向きな気持ちを生み、前向きな気持ちが成果を生み、成果が生まれればおのずと楽しい気持ちになるのだろう。

もちろん、「態度を選ぶ」のではなく「仕事を選ぶ」という選択肢もありえる。本書では、「仕事を選ぶ」という選択肢は除外されている(家庭の事情により選べないという制約条件が課されている)が、そういう選択肢に「注意を向ける」ということも非常に重要だと思う。ただ、そのときも「絶対的に楽しい仕事はない」ことや「楽しいと感じられるかどうかはあくまで自分自身の問題」ということを忘れてはならないと思う。なによりも、楽しくない原因を自分の外に求めて(上司のせいにしたり、お客のせいにしたりとか)、被害者面するのはいただけない。

そういえば、昔ミスチルも、「今 僕のいる場所が 探してたのと違っても 間違いじゃない きっと答えはひとつじゃない(Any/Mr.Children)」なんて歌っていたなあ。

ちなみに、本書で「ごみだめ」は以下のように描かれている。

  • 何年も前から同じやり方で、退屈しきっている
  • いやいや仕事をしている
  • 周りの人は、いいひとだがやる気がない

この中に、ひとつでも心当たるものがあるとすれば、本書を手に取る価値があるかもしれない。

まったく関係ないけど「メアリー・ジェーン」ときくと「ラヂオの時間」を連想するのは僕だけ?

ラヂオの時間 スタンダード・エディション
三谷幸喜 唐沢寿明 鈴木京香
B000BN9ADO